意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

2024-01-01から1年間の記事一覧

不定期更新のお知らせ

いつもお世話になっております。 しばらくの間、毎日定期的に更新するようにしていましたが、個人的な都合により今後は不定期更新にさせてもらおうと思います。 ただ、完全に不定期にすると更新の確認の手間があると思いますので、更新するとすれば月曜日に…

站樁之神意(『大成伝習録』より)

站樁をどのように行うのか? 站と站には千差万別の違いがある。今、私が松になったのを見てもらったが、もう一つ、神が出てきたらそれも正しい、神を意識するだけで良い。神に対して、身体は松である。もし神がこの位置にいれば、放松して、神を顕現させる。…

意拳(大成拳)詞彙詮釈(『意拳詮釈』より)

1、抱間架与間架結構 拳学において「抱住間架」または「抱着間架で進む」などの言葉がよく見られる。その間架とは、手、手首、肘、腕、肩の相対的な空間的構造の位置を指し、頭、顔部とその整体との関係も含まれる。抱住間架とは、上記の間架が頭部と協調し…

意感、動感和力感(『螺旋宝塔—崔瑞彬五十年体認如是説』より)

松緊転換の問題は、前に述べた「一想即止」と本質的には同じことである。王老師は「『動静』という二文字は研究すると終わりがなく、行えばさらに複雑になる」と述べている。動静がそうであるように、松緊もまた然りである。 恩師は「意拳は站樁を基本功とし…

大成拳試力心法30問(『以拳演道:大成拳精華』より)

大成拳の試力は、愛好者にとって非常に悩ましい功法である。外形だけ学んで使い方がわからず、ゆっくりとした体操のようになってしまう人もいれば、この過程を完全に放棄して、直接站樁と操拳と歩法を練習する人もいる。その結果、前者は試力が站樁と発力の…

如何正確調動運用本能力(『以拳演道:大成拳精華』より)

極緩の功は試力である。我々は、どんな拳法を会得し、どんな力学の知識を掌握していても、最も根本的な制敵の要因は第一に力が大きいことであり、そうでなければ、あらゆる技巧は無源の水と化す。そして力を増す法は皆、外力の刺激を借りねばならない。正に…

精神力量的培养(『意拳:中国現代実戦拳学』より)

技撃を学ぶには、まず培養すべきは大無畏の精神、我に敵なしの必勝の信念、勇敢果断な意志力、そして坦々とした胸襟と豪邁な気概であり、これらすべてを精神力量の培養と総称する。技撃の練習に従事する人でよくあるのは、自分で純粋で深い技術と体力などの…

如何正確認識本能力(『以拳演道:大成拳精華』より)

「站樁は一体何の妙用があるのか?」 「站樁の練習は、一種の整勁、つまり身が到り歩が到り、躯幹で四肢を帯動する整勁を養成することができる」 「しかし、この種の整勁は完全に動態拳技から得ることができる。国内の通臂拳や螳螂拳、また国外のボクシング…

力学原理(『意拳:中国現代実戦拳学』より)

意拳は現代科学を理論的基礎とする。意拳を研習するには、人体力学の深い探求から離れることはできない。周知のように、意拳の功練者は初心者であれ上乗の拳家であれ、外気を放つことはなく、特異な功能もない。いわゆる「空勁」で人を打つなどというのは、…

月刊秘伝2024年2月号

”気”と"勁" 登場する先生 岩間統正 内容 太気拳の"気と実戦" 印象に残った言葉 「太気拳を始めたばかりの頃は、立禅をやっていれば気という何か特別なパワーが体に宿り、神憑り的な強さが得られると期待していました」そう語る岩間師だが、ある時、澤井宗師…

点、面、線法則(『意拳:中国現代実戦拳学』)

推手訓練と研究において、節、点、面、線の諸法則は不可欠である。 まず「節」の概念について説明する。両腕を例にすると、上腕が根節、前腕が中節、手首までが梢節となる。力の伝達は根節から中節を経て最後に梢節に至る。推手では中節、つまり前腕が対手と…

月刊秘伝2017年9月号

韓氏意拳創始者韓競辰 登場する先生 韓競辰 (姚宗勲) 内容 武術名門・韓家からみた「中国武術近現代“拳史”」 姚宗勲先生生誕100周年記念大会 印象に残った言葉 実は歴史上「拳舞」ができたのは父しか居ません。なぜなら拳舞というのは父のオリジナルだから…

弁証原則(『意拳:中国現代実戦拳学』より)

拳術は科学であり、理論から実践への科学的検証に耐えうるものである。近年、我が国武術界には、神拳、刀槍が通用しない、壁を通して人を打つなどの反科学的な宣伝が現れているが、これは邪な風潮で左道の旁門であり、遠からずして滅びるであろう。一方で、…

月刊秘伝2016年8月号

許傑華老師来日 登場する先生 許傑華 長谷真介 内容 許傑華セミナー 佐藤聖二先生の「拳学」の探求を振り返って 印象に残った言葉 30年以上(意拳を)続けていますが、重要なものは3 つか4 つですね。重要なことは内部で何をしているかであって、站樁の効果…

勢(『大成伝習録』より)

現在の太極拳の大部分は理を講じ、理の上で法を講じている。良いものは法の上で理を講じているが、これらはどれも違う。理と法は、勢の上で講じなければならない。勢こそが主体である。なぜなら、本当に敵と対峙する時には緩急の変化があり、もし勢を講じず…

月刊秘伝2018年4月号

"空手道"盧山初雄 登場する先生 盧山初雄 許傑華 内容 大山倍達、中村日出夫、澤井健一、三師に導かれた「心技体」 実践的「形意拳•意拳」比較論考[前編] 印象に残った言葉 攻撃にも受けにも理というものがある。すべてがその理にかなっていなければいけな…

月刊秘伝2015年3月号

韓氏意拳という拳学 登場する先生 韓競辰 内容 韓競辰先生インタビュー 印象に残った言葉 ご存知のように王先生は形意拳を意拳に発展させました。それには必然性があったと言えます。なぜなら王先生は形意拳を学ぶ中、形意拳に限らずおよそ中国の伝統武術が…

大成拳的自然力(『大成拳精典探秘』より)

中国の拳術は博大精微で、拳術に特有の力の獲得方法は様々であり、その力の描写の仕方も一様ではない。例えば少林拳の「寸勁」、形意拳の「整勁」、太極拳の「爆発力」や「弾勁」など、大成拳においては、立樁と試力を通して得られるのは本能から出た自然力…

月刊秘伝2014年10月号

意拳・太気拳交流セミナー 登場する先生 姚承栄 天野敏 島田道男 鹿志村英雄 竹田二男 内容 対談姚承栄 X 天野敏「兄弟流儀の再会通底する‘‘渾元”」 太気拳と活法に共通する術理を示す 印象に残った言葉 私が初めて中国へ行って、姚先生にお会いしたときに最…

姚承光先生談意拳基本功

1、養生樁は独特な点がある。養生樁は意拳の基礎樁法であり、精神假借と意念誘導を採用し、人体と大脳に非常に良い休息式の鍛錬をさせ、軽松、愉快な精神状態に入らせる。さらに神経筋肉の鍛錬を通じて、身体の新陳代謝と血液循環を促進し、腰の筋肉の損傷、…

月刊秘伝2014年4月号

澤井健一師に学んだ外国人古参門人 登場する先生 ジャン・ルシュワー 天野敏 島田道男 内容 ジャン・ルシュワー師インタビュー 印象に残った言葉 本国で気功をやっていたとき、気功というものは楽で、それほどハードなものではなかったのですが、澤井先生の…

姚承光先生談父親姚宗勲先生

姚師が言うには、姚老は磨難を経て、80年代初めに数年間学生を集めて訓練したが、ちょうど効果が出始めたところで早すぎる他界をとげてしまい、その偉大な志は果たせなかったという。姚師は宗勲先生の遺志を継承し、姚老が世を去ってから33年が経っても、初…

月刊秘伝2013年4月号

達人・姚宗勲の血脈姚承栄老師が語る 登場する先生 姚承栄 内容 姚家伝統意拳の哲理(後編) 印象に残った言葉 父の拳の特徴は実戦経験が豊富で、技術も完璧だった。技は大変緻密で正確、その威力は対戦相手が恐れをなすほどだったが、けして相手に怪我をさ…

姚承光先生の著書『意拳推手 独特的搏殺技術:兼駁意拳推手無用論的観点』

意拳の推手技術は非常に独創的で独特であり、完全に実戦に立脚している。 意拳の宗師である姚宗勋先生はかつて、推手は散手の不足を補うものだと述べた。意拳の推手は散手への過渡期であり、推手は散手に奉仕するものであり、推手の水準の高低は散手の水準に…

月刊秘伝2013年3月号

達人・姚宗勲の血脈姚承栄老師が語る 登場する先生 姚承栄 内容 姚家伝統意拳の哲理(前編) 印象に残った言葉 どうあるべきかを知っていればよいことで、それよりも重要なのは、内的な力をいかに模索するかという点にある(姚承栄) 腰を低くすれば、負荷が…

姚承光先生の著書『生命不息 奮斗不止:回憶跟父親姚宗勲先生強化訓練的日子』

1981年に、姚宗勲先生は北京市体委体育科研所と協力し、意拳の養生理念と精神仮借、意念誘導の原理原則を用いて、競技選手の競争成績と体力回復、競争中の精神的・心理的調整などの一連の現実的問題について、約三年間の探索と研究を行った。 体育科研所との…

月刊秘伝2010年7月号

太気の組手に見えるもの 登場する先生 佐藤聖二 島田道男 天野敏 鹿志村英雄 内容 太気拳春の交流会 印象に残った言葉 禅を組むんだって気持ちが良いで組むなかにも神経のレベルに違いがある。気持ちが良いで終わりというのを否定はしないけど、武術と名乗る…

姚承光先生の著書『把握実質不懈追求:姚宗勲先生関于薌老在站樁時摸索渾円力的見解与創新』

1937年、姚宗勲先生は20歳の時に王薌齋先生に師事した。当時、薌老は教学において、自悟苦練と実戦を結びつける原則を採用し、基本功の站樁において、最初から拳術の渾円力を探る鍛錬方法を貫いていた。当時、姚宗勲先生は、薌師の功夫はすでに爐火純青であ…

涂行健先生の著書『論推手』

意拳の推手は40年代初めに発展した技芸である。当時、王先生は北平の中山公園で拳を教えていた。裕福な人や年配の人たちの班があり、王先生から拳を学んでいた。この班は王先生の主な収入源であり、無視することはできなかった。拳を練習して一定期間が経つ…

早年王金銘先生給馬衛星老師的信(4)

(七) 衛星へ 前半部分の体会は正しく理解されています。養生樁は、形を動かせば力が動き、内を動かせば意が動くことがわかります。総体的には、全身の放松と力が争い不動であることが求められます。まるで空から自分の頭頂(百会穴)の髪にひもが吊り下げられ…