意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

何謂三求一勁完全訓練法(5)(『大成拳三求一勁完全訓練法』より)

四、発力の深化と発展

発力は基本的に次のような順序で発展する。すなわち、整体勁-驚炸力-陀螺勁(訳注:回転するコマのこと)である。これら三種類の勁力の本質は同じで、すべて整体勁力を核としている。後の二つの勁力は整体勁の深化に過ぎない。

1、整体力:練功者が二求訓練段階に入ると、すなわち筋を強化し骨を強くし、整体が連通すると、身体は初步的に「均整」になる。この時点で、「腕は腕、腿は腿」という散乱状態を脱し、全身が一定程度の生理改造を受け、整体勁力を発揮することができるようになる。

2、驚炸力:練功者が整体勁力を得た後、二求訓練を継続しながら、三求訓練に入ることが必要である。すなわち、神意を円滑にし、松緊緊松の訓練を行う。この時、勁力はさらに増大し、発勁の効果が良くなり、発勁が敏脆となりさらに速くなる。この時、驚炸力が徐々に顕著になってくる。

3、陀螺勁:驚炸勁力を得た後、すでに武学界では稀な高手となっているが、清末民初の老前輩たちはこの上に一歩進んでいた。すなわち、陀螺勁、別名螺旋力、抽丝勁、缠丝勁である。身体が回転し、腕や腰が回転するというだけで陀螺勁を備えているわけではない。勁は動作ではないことを知る必要がある。この中には極秘の要点があり、全身の各大関節を高速で回転させる。「肩は機輪のよう」というのは、これを指している。

驚炸勁の実戦での特徴は硬打硬要であるが、陀螺勁の実戦での特徴はさらに自身の発力の原価を低減することである。力を借りて発力し、より軽松で安全に攻撃、重撃を加えることができる。整体勁なしに驚炸力はあり得ず、驚炸力なしに陀螺は空論である。古人が追求した「化発合一」、「顧打合一」、「四両抜千斤」、「風中旗、浪中魚」、「一面鼓、一面蕩、周身無点不弾簧」といったものは、これを指している。

陀螺勁の訓練には至秘の功法が必要であり、さらに厳しい推手の聴勁訓練を行う必要がある。王薌齋先生は「推手を離れれば小乗の拳法である」と言っており、これがその意味である。王薌齋先生は弟子たちにこう言った。「子供たちが遊ぶ陀螺は、回転するとき速度が非常に速いが、外形上は動かない。もし紙片を上に投げれば、すぐに陀螺によって遠くに打ち出される。私が使う力は、高速回転する陀螺の原理とほぼ同じで、極速で発した力は外形上は見えにくいが、威力は非常に大きい」(注:陀螺勁は勁法であり、技法ではない。整体勁力を基に、「肩腰は機輪のよう」と厳しい聴勁訓練を加えて最終的に達成するものである。肩が機輪のようとは、単なる腰の捻りや腰の回転ではない。そうであれば、ボクサーは誰でも腰を捻り腰を回転させることができるだろう)。

以上のように、驚炸勁(力)であれ陀螺勁であれ、すべて整体勁力を基にしている。それは整体勁の深化と発展であり、一から三へ、三から一へと言える。それ故に「一勁」と言われる。これを「三求」訓練と組み合わせ、相互に因果関係があるため、「真の大成拳三求一勁訓練法」と称している。

李康『大成拳三求一勁完全訓練法』より