意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

練意拳養生樁注意事項(『意拳養生法』より)

1. 練功時間及地点的選択

(1) 練功の時間に関しては、一般的には朝日が昇る前が良いとされているが、一部の患者によると、夜間に練功する方が効果が良いとのことである。したがって、朝夕の二つの時間を選ぶのが適切であるが、具体的には、各自の状況に合わせて適切に時間を調整すべきである。上記の時間以外でもいつでも練功することができ、練習しないよりはしたほうが良いので、あまり厳密にこだわる必要はなく、柔軟に対応することが大切である。一回の練功時間は、各自の状況に応じて決めるべきであるが、一般に30分を超えると良い効果が得られる。

(2) 練功の場所に関しては、まず空気が新鮮なことが重要である。可能であれば、野原、海辺、山村、滝、噴水、公園などの場所を選ぶことが理想的である。これらの場所では空気中の陰イオンが多い。陰イオンとは何か、そしてその効果は何か? 空気は酸素や窒素などの異なる気体分子から構成され、これらの分子は原子から成り立っている。通常、これらの気体原子は中性で、電荷を帯びていない。しかし、宇宙線、太陽光中の紫外線、地球上の微量放射性物質の放射、その他の物理的・化学的反応により、これらの中性原子の原子核と周りを回転する電子が分離することがある(このプロセスを電離と言う)。分離された電子は中性の別の原子と結合し、負の電荷を帯びた陰イオンを形成する。これが空気中のイオン化である。

空気中のこれらの陰イオンは、人体の健康に非常に有益である。体内に入ると、血圧を下げ、呼吸や脈拍の回数を減少させ、精神的に活発になり、注意力を集中させ、仕事の効率が大幅に向上する。また、上皮細胞を刺激して傷の治癒を促進し、基礎代謝を強化し、成長を促進し、免疫機能を高める効果がある。さらに、鎮静、鎮咳、鎮痛、痙攣止め、発汗抑制、利尿作用があり、壊血病やくる病の発生と進行を防ぐ効果がある。一方、陽イオンは血圧を上げ、注意力を散漫にし、疲労やめまい、頭痛、嘔吐を引き起こすことがある。

空気中のイオン化は絶えず行われているが、陰イオンの寿命は短く、通常は数分から数秒しか持続しない。特に人口密集地や工場が立ち並ぶ大都市、換気が悪く空気汚染が重い地域では、陰イオンが「天折」に到達しやすく、上述の開放的な地域では存続時間が長く、最大で20分に及ぶことがあります。これは陰イオンの蓄積に有利である。

測定によれば、大都市の室内では、1立方センチメートルの空気中に陰イオンが40~50個しか存在せず、街路では100~200個に増加し、田園では750~1000個、山谷や滝の近くでは2万個以上に達することがある。以上の事実に基づいて、陰イオンが豊富な場所で練功することが、身体の健康に役立つ。

また、練功の場所は静かである必要がある。

「万簌無声心自息」。環境が静かであることは入静の重要な条件である。環境が静かでなければ、入静の状態で驚くことがある。驚くと、練功者は精神的に緊張し、心拍数が増加し、呼吸が速くなり、練功の質に深刻な影響を与える。また、驚いた後は数日間うまく練功できないことがあるため、練功する際には静かな環境を選ぶことが重要である。

2.練功禁忌

空腹、満腹、過度に疲れている時は練功を避けるべきである。食後半時間以降に練功するのが適しているが、消化を助ける練功法は例外である(消化を助ける練法は「意念と医療保健」の章で説明している)。

練功中は感情の変化をコントロールし、特に怒りが激しい時や悲しすぎる時、考えすぎる時には練功を避けるべきである。感情の激しい変化は練功の効果に深刻な影響を与える。

晏耀輝『意拳養生法』人民衛生出版社より