意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

功夫(ゴンフー)

王薌齋と意拳への道

  • 登場する先生
    • 楊鴻晨
    • 西松正彦
    • (楊倹)
  • 内容
    • 天才武術家「王薌齋」と革新的拳術意拳」の謎に挑む旅

印象に残った言葉

王薌齋は、形意拳の「斜中有正」、八卦掌の「身法四正」、太極拳の「纏絲」、少林拳の「定力」を参考にして大成拳に採り入れたという

胸部が緩むほど相手の力を吸収しその力を借りることができる。虎の背中のようにする。力は腕から出るのではない。そして力を入れると力を発せられない(楊鴻晨)

普通の站樁は立っている間は楽で終わってから疲れる。我々の站樁は立っている間は辛いが、終わってからは楽で気持ちいい(楊鴻晨)

やや前傾して見えるところに特徴が表れる站樁。実際には胯(※股関節・大腿の付け根あたり)をしっかり折って呑み込むことで前傾しているように見えるだけだ。要領は「高いところから飛び降りて着地した時のように」、また「ジャンプする瞬間のように」だ。馬に乗ったときのような姿勢が最も安定して、上下前後左右に力が出るのだ。そうすると脇の下から肘にかけて固い筋のようなものが出来るという。

(楊鴻晨先生の指導)そして時には目を瞑らせ、ランダムな方向に両手を強く叩く。正しく出来ていれば、全身で衝撃を逃し、バネのように元に戻る

早く動くと指先が振動する。一般的に意拳で指を震わせるのは珍しい表現であるとのこと

相手を打つのは簡単だ。難しいことではない。王薌齋先生の大成拳というものは、「発力」前の身体操作が大事なので。相手と触れた瞬間の処理が一番難しいのだ(搭手)。中国の功夫は相手と触れた瞬間に相手の重心を奪う。手法(※技)でやるのではない(楊鴻晨)

発力に関して例えるなら、一般の整体力が車でぶつかるようなものであるとすれば、楊老子のそれは、解体工事で壁を破壊する大きな錘のようであった(西松正彦)