意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

勢的意義与作用(『大成拳核心訓練法』より)

「勢」とは、事物の発展に対する一種の描写である。事物が一定の程度まで発展し、定性的な傾向にある時、通常「勢」と称する。例えば、よく言う「勢力」とは、ある組織やある人々が持つ絶対的な優位性を指す。「勢不両立」は、二つの力が相互に対抗し合うことを意味する。「勢如破竹」とは、竹の最初の数節を割ると、下の各節が刀勢に沿って分かれることを意味し、通常、力の強大さと抵抗できないことを比喩している。

「勢」には、弱から強への過程がある。萌芽期の比較的弱い状態にある時、我々はしばしばこれを蓄勢と呼ぶ。勢の力量が一定の程度に達すると、必然的に自身の発展規律を明らかにし、あるべき態勢に従って異なる傾向の特徴を表す。事物のあらゆる結果は「勢」の必然である。蓄勢してこそ待発することができる。「勢に乗じて人を欺く」人々も、「勢」の先決条件がなければ、人を欺くことはできない。大成拳にとって、站樁は勁力の蓄勢であり、静態の勁力が円満になると、空間に延伸し、力量の通路が順調になると、それを真に爆発させる。これらは勢に順応する過程であり、すなわち勢に順応して試し、勢に順応して発する。その後の推手、単操手、連環技法の訓練も、実際には技撃のための蓄勢である。

「勢」は、発力の過程において、ある人の功力の象徴を表す。優位な功力の状態は、ある人の勁力が到達した円満の程度を示す。これが勢在必行である。站樁、試力、歩行、単操手のいずれにおいても、気、意、力、声などの様々な高強度の勢能を備えた時、それを集中的に解放することができる。これにより、勁力の効能は異常に強大になる。この時の発力状態は、(1)整体の状態が極めて良好である、(2)筋群が高度に収縮する、(3)力が完整な重力性を持つ、(4)作用する力の方向が高度に統一されている、(5)力量が非常に強い貫通性と重創性を持つ、というものである。

「勢」は、推手や技撃においても非常に重要な意味を持つ。勁力が強勢の状態にある時、相手が私に進撃してきても、私は腕で軽く掤すれば、相手は瞬時に私の防御が堅固無比だと感じる。私が相手に進撃すれば、相手がどのように阻止したり防御したりしても無意味である。もちろん、発力を優位な状態にするためには、できるだけ有利な条件を作り出し、力量の発放と打撃効果を発揮する必要がある。例えば、相手が私に進撃してきた時、私は先に化解の方式で相手の来勢を消し去り、その後、相手の中線部位に強勢の勁力で放り出したり、要害部位を猛撃したりすることができる。

李照山『大成拳核心訓練法』北京体育大学出版社より