意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

姚承栄先生の著書『意拳腿法』

意拳では技撃対抗時に使用する腿法は一般的に慎重である。腿の攻撃には一定の威力があるが、「抬腿半边空」ということを忘れてはならない。

意拳の腿法の力量も「形曲力直」の原則と斜面、螺旋、曲析三角力などから切り離すことはできない。一般的には相手の臍部を超えることはない。上半身の姿勢は渾元樁間架を保つべきで、腋窩は含み、蓄えるべきであり、両腕は身体に貼り付けてはならならず、平に持ち上げてもならず、「形不破体、力不出尖」という原則に従うべきである。対抗中、足を挙げて相手を攻撃する際には「順其自然」であるべきで、意は相手を蹴ることにあるが、蹴れなくても関係はない。足を下ろす時(丁八歩の位置を保つべき)は、また相手に攻撃する基本間架である。対抗中の腿法には攻守合一の問題もある。

一、点脚

私たちが磨擦歩を練習する際、後脚を持ち上げ、前脚の足首関節を通り過ぎて前方に伸ばす。この時、距離が適切であれば、動いている前脚で相手の足首関節や小腿の正面、即ち迎面骨部位を蹴ることができる。用いる力は短くて力強いブレーキ力がある。同時に、まるで熱く焼けた鉄に蹴りを入れるように想像し、蹴ったらすぐに戻すか、一発即止である。対抗中、足を蹴り出す距離は一歩程度でなければ、「力出尖、形破体」となる。原則として均整、舒適、得力が必要である。腿法も拳法と組み合わせて行う必要があり、拳、肘、膝、胯、頭などと結び付けなければならず、そうすることで殺傷力を備える。対抗中、両腿で体を支えるため、身体の平衡を保ち、偏りがない状態でなければ腿を上げることができず、相手に蹴りを入れられるかどうかは二次的であり、主には「内在」力量の訓練に重点を置くべきである。

点脚の形は基本的に拗歩を主とし、即ち左脚を蹴るときは身体を右に回し、身体は螺旋状にねじれる状態になる。両手は常に渾元樁桩間架を保ち、足を上げる際には両手が発拳状態である。動作が完了した後は元の状態に戻り、随時、随势の準備ができるようにする。

二、横跺脚

磨擦歩の練習で紹介したように、後脚は内側から斜め外方向に動き、脚先が下がる際に不快感があればすぐに持ち上げるか、踏まないか、前に持ち上げるか、または前に動かしながら常に後ろに動く意を持つ。全体の動作は矛盾の中で行う。磨擦歩の練習はまた腿、脚の試力であり、即ち横跺脚の基本功である。だから技撃対抗中、進むことも退くことも、忽然と左になったり右になったりしながら、常に歩法の調整に注意を払うべきである。距離が一度合えば、非支撑腿の膝を持ち上げ、脚の内側を前に向け、脚先を外に向け、同時に腿を上げる高さに注意し、一般に腰部を超えないようにすると、身体の平衡を容易に制御できる。もし主動的に攻撃する場合は、腿を上げて攻撃する。もし相手が攻撃してくる場合、腿を上げて迎え撃つ。腿を上げる際、力は後腿の地面の蹴りと後胯の推進から来る。相手の身体に触れたら、例えば腹部、大腿、小腿などに、すぐに相手の肢体に沿って下に蹴り下ろす(=下蹬踏)発力に変わる。同時に、身体の縦軸が相争し、頭、足、腰、胯など各部分の力量を爆発させる。脚を踏み下ろすとき、それはちょうど落足の位置(丁八歩)であり、状況に応じて、または蹴ったり、打ったりし、相手に休む機会を与えない。

横跺足を使う際は、通常「丁八歩」の歩法を採用する。左脚を持ち上げる時は身体を左に回し、右手は発拳の準備状態にする。右脚を蹴る時は、身体を右に回し、左手を前に出して発拳状態にする。

三、側踢脚

側踢脚の訓練では、まず渾元樁桩間架で立ち、歩法は丁八歩である。左足脚が前に、右脚が後ろにあるとすると、右脚を蹴る時、重心を後ろから前に移動し、左脚に移動させた後、重心が安定したら、左脚と全身を左に捻って、右脚を蹴り出す。右脚を蹴り出す時の脚型は、脚の裏が前を向き、脚の指が左を向き、脚の甲の外側が上を向く。足首にばねがあり、首と繋がっていると想像し、頭頂と立っている脚が相争し、相手の身体に蹴り込む瞬間に頭と脚が相争し、「ばね」を引き裂くように想像する。同時に、頭と立っている脚、腰、胯、肩、肘、膝など各部が相争し、接触した瞬間に「ばね」を引き裂き、発力する。足を下ろす時は再び待発間架になる。訓練では拳法と組み合わせて行う必要がある。

訓練時には以下の点に注意する必要がある。

一、 站樁で「渾元力」を培うだけでなく、摩擦歩の練習も多く行う。

二、運動中の実践歩法を多く練習し、大敵が目の前にいると想定し、対抗中に様々な腿法を練習し、拳法との組み合わせに重点を置く。

三、実戦対抗中での運用を強化すること。

姚承栄

『中華武術』2000年九期より