意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

技撃樁基本姿勢和要領(『意拳気功』より)

技撃樁の基本姿勢は数十種類もあり、現在は一般的に使用される主要な基本形を紹介する。

1.扶按式

両足を「丁」字型の八字歩で自然に立つ、脚の間隔はおよそ一足の長さにし、両膝は微かに曲げ、後腿の臀部は微かに下に座り、左右の臀部は平行で、前後にずれてはならない。両腕は持ち上げて前に伸ばし、前手は肩を超えず、後手は前手よりもやや低く、やや後にする。足が前にある方の手が前手になる。両手は楕円形で抱え、五指を開き、掌は前方の下へ向く。これが陰陽掌である。前手は前脚の先を超えてはならず、後手は身体に近すぎてはならず、前胸との距離は少なくとも拳一つ分はあるべきである(図30)。

意念誘導

第一段階: 両手は水面に浮かぶ球を扶按するようにし、球感を感じた後、後座のばねを感じ、内視して麻、熱、膨張を体験する。

第二段階: 上述の体験が得られた後、気球を抱くようにし、両腿で気球を挟むようにする。

第三段階: 上述の基礎の上で、全身が温水の中にあることを体感する。まずは水が動かない状態を体感し、次に水が徐々に微動するのを感じ、最終的には揺れ動くまで感じる。

第四段階: 手の甲や腕の上で気球を支え(=托)、両手で気球を押さえ(=按)、両脚で気球を挟み、気球を抱き、脚下で気球を踏む(=踩)。立つ時は四平八稳、周囲の肌肉は下垂感とともに軽松の感があり、舒適で自然に力が得られる。

第五段階: 王薌齋先生が言う「全身の肌肉が雲の上に吊るされ(=挂)、毛髪の根が暖かい風に揺れる」感覚を体験する。

本式の訓練目的: 前撞力、扶按力、拱托力の増加と、按弾力を求める。

2.提挿式

要求は扶按式と同じで、唯一の違いは、両手の扶按を両掌心が向き合い、五指が開いて伸びるように変えることである。(図31)

意念诱导:

意念誘導

第一段階: 両手が泥壁に挿入し、抜け出そうとしても抜け出せない。

第二段階: 前挿後拉、上托下挂。

その他の意念は扶按式の第三、四、五段階と同じである。

本式の訓練目的:上方向、前方向への提插の力量を鍛え、推手の中での運用に適したものとする。

3.提抱式

要求は扶按式と同じで、唯一の違いは、両手、腕、胸が大樹を抱くようにし、両手の掌心を内側に向け、五指を伸ばすことである。この樁は「矛盾樁」とも呼ばれ、前手は盾のように、後手は矛のようにする。(図32)

意念誘導:

第一段階: 扶按桩の意念誘導体験を完成させる。

第二段階: 大樹を抱くような意念を持ち、胸、腹、腿が木の幹に触れている感じがあるように。

第三段階: 抱えている大樹が微風に揺れ動き、次に前後左右に揺れ動く。

第四段階: 抱えている大樹が強風に揺れ、時には抜け出して飛び立とうとし、時には地に深く根を下ろし安定し、また時には左右前後に歪み倒れそうになる。

本式の訓練目的:前横の腕の衝突力を鍛え、内抱外抜の力量を強化する。

4.双抱球式

両脚の立ち方は健身樁の渾円樁の双重站法や丁型八字歩の站法と同じである。両手は左右に高く挙げて抱えるが、頭頂を超えない高さで、両腕の間隔は渾円樁よりも約二倍大きくする。(図33)

意念誘導:

第一段階: 両手でそれぞれ気球を一つ抱く。

第二段階: 肩撑肘横で、両手は引きちぎっては合わせる(=撕拧)ようである。

第三段階: 両手、腕の外側が気球を支えたり(=頂)、かかげたり(=托)するようであり。

本式の訓練目的:腕の力を強化し、推手の中での運用に適するようにする。

5.虎抱頭式

基本姿勢の要求は扶按式と同じで、唯一の違いは扶按式の両掌を両拳に変えることである。前拳は眼を超えず、後拳は鼻の前方、鼻から約一拳の距離にあり、拳面は前方に向ける。(図34)

意念誘導:

第一段階: 二つの拳面が気球を頂くように、気球がある感覚を体験する。

第二段階: 両手の手首と首の間に一本のゴムバンドが結ばれているように体験する。

本式の訓練目的:炮拳や直拳の前方への打撃の力量を強化する。

6.前推式

基本姿勢の要求は扶按式と同じで、唯一の違いは両手の掌を掌心が前を向くようにし、その手指は眼を超えないことである。(図35)

意念誘導: 両手で気球を推すように、さらに進んで木球を推し、さらに進めば鉄球や鉛球を推すようにする。

本式の訓練目的::前推の力量を強化する。

7.単腿独立扶按式

身体は基本的に真っ直ぐにする(=挺直)。右腿を持ち上げ(疲れたら左腿を持ち上げることができる)、足の先はわずかに引っ掛けるようにし、両手の姿勢は技撃扶按式と同じである。(図36)

意念誘導: 技撃伏按式と同じ。

本式の訓練目的: 単腿の前撞力、扶按力、扶托力、按弾力を強化する。

8.単腿独立渾円式

身体は基本的にまっすぐに立つ。右腿を持ち上げる(疲れたら左腿に変えることができる)、足の先はわずかに引っ掛けるようにし、両手の姿勢は渾円樁と同じである。(図37)

意念誘導: 両手と持ち上げた脚の間に一本のゴムバンドがあるかのように、持ち上げた脚を吊り上げる。両脚の間にも一本のゴムバンドがあるようにする。

本式の訓練目的:単腿独立の功夫を練習する。

王安平『意拳気功』安徽科学技術出版社