意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

月刊秘伝2007年1月号

太気拳対談

  • 登場する先生
    • 天野敏
    • 島田道男
  • 内容

印象に残った言葉

むしろ板垣さんの"制空圏"ってイメージの方が正しいんですよ、近い。人間がいて、その周りにモワッとしたものがあったら、そういう状態になってさえいれば、じゅうぶんなわけだから。そういう状態を作るような練習だから(島田道男)

体にまとわりつくような、たとえば王薌齋でも自分で重くなったとか、ひとつになったとかいう言い方は、ひとつ、なんかあるんですよ。ひとつにパッとまとまったとか。それが重要であって。まとまらない話は……それが常に力を感じるようなまとまり方ってあるんですよ。それさえ維持できてれば問題ないですよね。その時に外的な状況もあるわけですけど、それをいかに膨らませるかですから(島田道男)

この前インターネットで「心意把」、少林寺の。あの動き見たら、よく似てるんだ。それは得体の知れない空間というものが動き出すわけですよ、我々の中で。なんと言ったらいいか分からないけど、仮にゲル状のものであるとするとね、それを揺らしながら動かすわけです。すると足がこう(立ち上がって這の動きを始める)……そうするとこっち側に来ることによって、回りながら動いていく。それをどんどん動かしながら、核を作りながら。そうするとバン!と回りながらハーン!て、それだけで技になっていくわけですよ、どんどん(島田道男)

禅(立禅)で回る力があると、「核」があって、それをいつでも動かせる状態で・・・・・・(実際の立禅の仔まいからの動きだす)いろいろな力がその中に入ってきて……制空圏でしたっけ?イメージは正しい。その中に核があるわけですよ。核がないとそれが機能しないわけで。弱いヤツは核がないから、フニャフニャしてなんかうまそうな感触で形だけはやってるけど。力がそこにない(島田道男)

闘いっていうよりも. 2つがあって"均衡"してるわけです、いろんな意味で僕らは。均衡のない立ち会いって意味がないんですよ(島田道男)

島田師範の歩法は、一見、非常に軽く見えて、近くにいるとまるでダンプカーが通り過ぎていくような重量感が溢れる。下は撮影用にユックリめに動いていただいたのだが、す~っと近付くと、手先に触れた相手のガードを払い落としつつ左右の突きがその逆側へたゆたうように芯が揺れながら一瞬で入った。実際には触る程度でも「見えないパンチ」によろめく相手が体勢を整えたときには、すでに二、三歩ほど立ち位置と重心が移動しており、相手の構えの内側で中心を捉えている

いうか歩っていうのは、止まれるかどうかってこと。止まれない動きでしょう?ほとんどが。ステップでは(島田道男)

止まれないってことは、変化できないってことですよ。止まるってことは変化できるってことなんですよ、要は。止まらないでダン!って一瞬で方向を変えながら移動するってことは、そうそうできないんです。止まるってことは非常に重要な体の使い方で。ゆっくりした動きというのは、そこに非常にいろんな要素がある(島田道男)

ボクシングの場合、腰を切って打つんですよ。そりゃ体死んじゃうわけだから。単なる惰性の動きでしょう?(島田道男)

極端にいえば、何が動こうが、要は実際に動ければ力が出るわけですから。中の力が出る……回転で。惰性で動くつてことは必要ないわけです。惰性っていうのは加速をどんどんしていくわけですよね。だけど瞬間の筋肉の力が反映されるわけじゃないですか、そういう意味で全く違う力ですよね。回転するなら、外側で回転しちゃダメなんです。本当に回転するなら中が回転しないと(島田道男)