意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

フルコンタクトKARATE2006年6月号

島田道男の太気拳

  • 登場する先生
    • 島田道男
  • 内容

印象に残った言葉

野生動物だって関節を瞬間的にピンと限界まで伸ばすことはあっても、必要以上に伸ばすことは無い。体のコントロールができて、ちゃんと力が伝わらなくてはいけないのに、伸ばし切ったら伝わらない。もし伸ばしたらすぐ返す。返す時には波を打つような動きにしなければならない。体を棒にしたらいけないよ。体が死んでしまう(島田道男)

人間の力は「伸ばす」と「縮める」の両方があって初めて成り立っているわけだから、伸びることも縮めることも、どちらもできる状態にしておかなくてはいけない。それから手を「開く」「閉じる」ではなく、空間が「大きくなる」「小さくなる」という考え方をしなければいけない。この両手で作った空間が大きくなっているだけで、この中では自分ではどうにもできる(島田道男)

立禅とは何かというと、神経の感覚を養う練習なんだ。集中力もつくし、リラックスもできる。一方で注意力の練習でもある。神経の練習をしているわけだから(島田道男)

歳を取ったら神経が衰えるか、というと衰えない。我々の所ではそういう練習をしているんだから。体全部を動かす練習をしながら、素早く反応する練習をしているわけだ。ドキッ! とした時には全身がドン! とするでしょう。そういうところを使う練習をしているのが、我々の武術なんだ(島田道男)

僕の場合は攻撃するにしても自分の空間を大きくしたり小さくしたりして、隙間を縫って打っている。だから空間の無い人を相手にしたら、十発ぐらい全部入れることができる(島田道男)

要するに人がどうこうのじゃなくて、重要なのは「いかに空間を制覇するか」ということだ。「ここにきたら、間違いなく蹴りでも何でも受けますよ。ちゃんと自分を守りますよ」というふうにできるのが的確な反応だ(島田道男)

バッ! と動かすのは神経から伝わった力なんだ。生理的な力は早いんだ。魚がビッ! と跳ねたりするのと同じ。そういう力だから。魚は元々手が無くて、胴だけだから。動物は基本的に体全体でやるわけだ。手が速いんじゃなくて全身が速い。全身の力をいつでも出せるような状態を作っておくことだよ(島田道男)