意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

意拳摩擦歩的基本要求(『意拳功法』より)

意拳の摩擦歩の訓練時にも同様に精神の仮借、意念誘導の引導作用を突出させなければならず、精神は高度に集中し、周身を放松させ、呼吸自然でなければならない。試力時の自然、柔和、松緩、細やかな摸勁の原則を把握し続け、周身の整体姿勢の各原則的な要求に注意しなければならない。

意拳の摩擦歩における身体の基本的な要求は主に以下の数点である。

(一)走歩時要保持周身整体的中正安舒

我々は手の試力の練習時、両手の各種変化に重点を置いているが、これは下肢と躯幹の催動配合の下での各種変化であるため、「整」の感覚を体験しやすい。

しかし歩行練習時は、腿と脚の緩慢な運動の中で、上肢と躯幹には基本的に運動軌跡がないため、上身の意念を無視しやすく、整体の勁力の養成に影響を与えてしまう。歩行時に上身は運動しないが、それは休息状態ではなく、両手は左右に分かれ、両側の手すりに支えるように、身体の平衡を保ち、頭上の小さな線で引き上げるように、あごを僅かに収め、小さな綿球を挟むように、頭頂と前脚が相争うようにする。要するに、その要求は站樁とほぼ同じで、常に身体の中正を保たなければならない。

(二)両脚併立為走摩擦歩的起始状態

身体の中正状態を保証した上で、前進でも後退でも、運行する脚は両脚を揃えた状態を起点としなければならない。なぜなら両脚を揃えた状態でこそ、我々は支撑腿の安定性と運行腿の霊敏性を保証できるからである。同時にこの一点を中心として、我々は多くの方面の運動を生み出すことができ、前進もでき、後退もでき、大歩も小歩もできる。

(三)在以両脚併立状態起始時要注意支撐腿的関鍵作用

支撑腿は、身体の平衡を支え、もう一方の腿の運行を促す脚のことである。摩擦歩行時、身体の最も重要な部位は支撑腿で、それは身体運動の力の源泉であり、もしその指揮と催動がなければ、もう一方の腿の運動は局部的、片面的な円を描くだけになってしまう。

支撑脚の重要な役割は、エンジンに繋がっている車の後輪のようなもので、それが前輪を駆動してこそ、車全体が動き出すのである。

(四)注意支撐腿的関鍵作用、突出運行腿的強点部位

運行腿とは支撑腿に対して言うもので、強点部位とは運行脚が運行過程で力が相対的に集中し突出する部位のことである。歩行時、運行腿のつま先、膝、胯の三箇所がその強点である。同時に額の前方への引領作用も無視してはならず、つまり、支撑腿の催動の下で、前方に歩く時は、額、额头、膝、つま先の強点作用を突出させ、それらに周身の整体の前進を引っ張らせなければならない。

額、身体、腿は歩行過程での配合が非常に密接で、それらは整体で同時に動くが、運行中の時間と距離の比率は異なる。摩擦歩は脚の運動に重点を置くため、脚部の三点は動きがやや速く、幅が大きくなければならない。一方、補助運動の額と上身はそれに応じてやや遅く、幅が小さくなければならない。要するに、それらは相互に配合し、協調して動作を完成させなければならない。

(五)突出摩擦歩的方向感、眼要盯住同一箇目標

歩行時、前進でも後退でも、目は常に一つの目標を見つめていなければならず、これが身体を制約し、身体にも一切の偏りがあってはならない。支撑腿の催動の下で、運行脚が両脚を揃えた状態から約一歩の距離で前方に踏み出す時、外側に引き回す動作があるが、上身と支撑脚は中正安定を保たなければならず、わずかでも随動の意があってはならない。前進時は、力は常に前を指し、後退は逆である。なぜなら、まず前後の単一の方向を確定してこそ、後の変歩時の異なる方向を把握できるからである。

(六)走摩擦歩和站樁結合、走歩就是活動的椿

我々は站樁時、頭と前脚、後胯と膝が相争い、周身の各所が争わないことを要求する。この要求は、歩行時の活動状況の下でさらに十分に体現されなければならない。前進でも後退でも、頭と前脚のばねは引き伸ばされ、脚が伸びれば伸びるほど、ばねはより引き伸ばされる。脚が収縮する時、ばねはそれに応じて縮み、常に頭と前脚は上下の争いを保ち、身体は挺抜させなければならない。

謝永広編著『意拳功法』大展出版社有限公司