意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

摩擦歩(『大成拳函授教程』より)

摩擦歩は蛇形歩、摩擦歩試力とも呼ばれ、これは歩法でありながらも腿の試力であり、大成拳中で最も基本的な歩法である。選傑先生はかつて詩で「身形は端正で、頭項は懸、歩は鶏形で体はわずかに偏り、進退は肩膀に頼り、膝を縦にして足は波澜を起こす」と述べた。

目的

一定の空間範囲内での身体及び手足の移動を通じて、樁功の規模を拡大し、樁功の要点に合致する条件の下で、身体の各部を連貫させ、そこから身体の各種力量の配備と天地間の空気の阻力感を体験する。

動作要領

身体を放松させ、自然に立ち、両腕を左右に分けて身体の両側に置き、自身の体と60度の角を成すようにし、両手の指は自然に分け、両腕と肩を放松させる。膝はわずかに曲がり、「縦膝」の意がある。上体は正直にし、含胸は抜背し、平心静気で、呼吸は自然で、精神は舒放し、頭往は上領し、臀部は下坐する。両手の掌はまるで二つの大きな気球の上に接しているかのようにし、ゆっくりと身体の重心を左腿に移し、右脚を半弧形に内側から外側へと平行にゆっくりと前に移動させ、足の先は前を向き、足の裏は身体の右外側に落ち、両脚の距離は一脚の長さになる。前脚が地を踏んだ後、ゆっくりと重心を右腿に移し、重心が完全に右腿に移った後、再び左脚をゆっくりと移動させる。左脚も右脚と同じく内側から外側へと弧を描くように平行移動し、身体の左側に落ちる。このようにして左右の脚を交互に練習する。

注意事項

摩擦歩の練習時は、動作をゆっくりと均しく行い、腿を移動させる時は肩の力を使って脚を前に送り出す必要がある。しかし、肩は動かしてはならず、眼は前方を平視して、脚歩を見下ろしてはならない。前脚が着地した後、回来の勁が必要であり、上が動けば下が自然に随い、下が動けば上が自然に引き上げる(=領)感覚を体験する必要がある。また、「行きたくても止まり、止まりたくても行く、更に行く中で止まらざるを得ず、止まる中で行かざるを得ない」意がある。単に外形の調和を求めるのではなく、空気の阻力を推動させて前に進もうとすることが重要である。

王紅宇編著『大成拳函授教程』より