意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

趙祯永先生の著書『大成拳樁法与技撃之関係』

王薌齋先生は、次のように指摘した。「站樁の効用は、気血を通じさせ、肌肉を鍛錬し、神経を訓練し、潜在能力を発揮することにある」。

気血を通じさせることは、站樁の初歩的な効果である。全身を放松させ、気血の流れを良くすることによって、病を取り除いて健身を目指し、体質を調整する効果を達成する。体質が強くなることは、技撃を学ぶ基本条件である。

肌肉を鍛えることは、站樁の必然的な結果である。技撃の站樁をする際、両腕を環抱し、両脚を虚実に分けることは、いずれも負荷をかけることであり、自然と筋肉が鍛えられるため、長く練習することで肌肉も発達する。しかし、この種の鍛え方は放松の要求の下で行われ、松緊の変化に合わせて意念の活動を行うため、肌肉は活力を保ち、硬直した力ではない。

神経を訓練することは、站樁の主要な目的である。神経が健康であれば、胆气は人一倍となり、胆气が人一倍であれば、戦場で混乱することはない。神経が弱ければ、技撃で勝つことは言うまでもなく、挙手投足や、一定の姿勢を保つことすら難しい。

潜在能力を発揮することは、站樁の最終的な要求である。四肢と神経の鍛錬を経て、徐々に体内の潜在能力を発揮することができるようになる。人類の祖先自体が、強い戦闘本能を持っていたが、社会の発展に伴い、この本能は徐々に退化していった。站樁は、特定の姿勢と特定の精神的な意念活動を組み合わせて、戦闘本能を徐々に回復する要求を達成すると言える。

站樁の姿勢と技撃の関係は何か? 站樁の姿勢は直接技撃の役に立つ。技撃の站樁を例にとると、まず、站樁の歩法は多くが丁八歩、すなわち稍息歩である。この歩法は前後左右に支撑力があり、下盤の安定と体の平衡に利益をもたらす。また、この樁歩は両脚の負荷の比率を前三後七とするため、両脚を虚実に分けることができ、技撃中の歩法の変化に有利である。次に、両手の位置は胸前で環抱し、一方が高く、もう一方が低い。この姿勢は上肢の虚実を分けるのに有利であり、進撃と防守の際、一方の手で自分を守り、もう一方の手で相手を撃つことができる。発力する際、体が多方向の争力を形成しやすくなる。さらに、体を自分の左側または右側に傾斜させる。この姿勢は両脚の作用を十分に発揮し、腰部の旋転を通じて斜面力を発出することができる。同時に、体の傾斜は上下左右の虚実、松緊の変化、歩法の移動、身法の転換に有利である。

間架の姿勢と比べて、大成拳は精神意識の鍛錬にさらに重点を置いている。大成拳の樁法では、完備した意念活動が貫通しており、站樁時の各部位の姿勢はそれぞれ対応する意念と密接に連動している。これは「無中に生じ、虚中で真を求める」という特異な効果を目指し、身体の技撃能力を増強するのに有利である。

例えば、頭部には「懸」の意念があり、「頂頭懸」とも言われる。つまり、頭上に細い糸が垂れ下がっており、頭頂に繋がっていることを想像し、体を空中に懸かっているようにする。この意念活動により、体がまっすぐに伸び、脚部への圧力を減少させ、歩法の変化を軽やかで霊活にし、同時に上肢の下方への発力に有利になる。下顎部には球を挟む意念があり、これは技撃中に自分の喉を守るのに役立つ。拳諺には「喉を決して捨てなければ、天下は英雄に向く」という言葉があり、この意念の重要性がわかる。両腕には内抱外撐、上提下墜、勾、擰、翻、裏などの多様な意念があり、これらの意念により両腕には霊活な力が生じ、身体は杠杆力、螺旋力、擰裏力などの多様な技撃力を発揮する。両手が掌の時には「八面出锋」の意念があり、掌拳の時には緊擰密持の意念がある。これらの意念活動により全身の力が指先に滞りなく伝わる。両脇には弹簧支撑の意念があり、これにより両腕には弾性力が生じる。両足には大木が根を張る意念があり、これにより脚部の力が増し、下盤が安定する。また、両手と両足の間、肘と膝の間、肩と胯の間には牵拉挂扯の意念がある。これにより全身の各部位の関係が強化され、技撃実戦中において整体動作と整体発力を実現する。

上記から分かるように、技撃の站樁の形と意、つまり間架の姿勢と意念活動は、技撃と重要な関連がある。言い換えれば、これらは人体が技撃の力量を絶えず蓄積し、技撃能力を増強するためのものである。さらに、様々な技撃の站樁法には、それぞれ異なる技撃作用がある。

例えば矛盾樁では、練習時に前手は盾のように、後手は矛のようにする。大成拳の前輩たちは、敵に攻撃する際の間架として、この站樁の変形姿勢をよく採用している。つまり、一方の手で自分の頭部または顔を守り、もう一方の手を後ろに隠し、機会を伺う姿勢である。

麒麟臂や抓球站樁では、練習時に意念で二つの大きな鉄球を掴んでいると想像し、これにより指の力を鍛え、技撃中の抓、拿、捋、带などの手法を容易に施せるようにするのに利がある。

金鶏独立樁では、片足で地に立ち、腿部の力量を鍛え、歩法を変換する際に体の安定を保持するのに役立つ。また、大成拳の脚法で踢、踹などの方法を主に使う場合、金鶏独立樁が基礎功法となる。

宝貝站樁では、練習時に両手に托、按、撐、抱、鈎、銼などの意念があり、これにより投げ放つ能力を鍛える。

『大成拳研究1989年第1期』より