意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

力的運用(3)(『意拳大師王斌魁講拳語録』より)

41、推手の際は、両手は互いに根として用い、左手を出すときは右手が随い、右手を出すときは左手が随う。両手を同時に用いることも、一方が主で他方が従うこともできる。

42、手の速さは身体の速さに及ばず、身体で人を打ち、手で表現する。

43、双推手の数種類の打法:

(1) 左右手往後刀:左手が刀なら右手は助け、右手が刀なら左手は助ける。脚蹬、腿伸、腰転、臂旋。一方の手で引っかけ(=勾)、他方の手で拍つ。

(2) 左右旋転刀:左手は刀で、右手は摧き、反対も同様にする。整体力を用いる。

(3) 左右拍打:左手で下に拍ち、右手で相手の右後方に摧き、拍ち、打つ。逆に、右手で下に拍ち、左手で相手の左後方に摧き、拍ち、打つ。身体の整勁に注意する。

(4) 撑打法:相手の両手の上にいる場合、相手の右肩に向かって上に押し上げ(=上撑)、受動から主動に変える。同時に右手は相手の腕の下から上に向けて捻り(=擰鑽)、相手を押し開き(=撑開)、直接相手の首筋へと斬りかかり、その後に前方に発力する。左右の手は交替しても行うことができる。

(5) 我の左手が相手の右手の下にある場合、我の右手で相手の左手を挟む。この時、我の左手で相手の右腕を左方向に振って(=抖)横外力を発し、同時に我の右手で相手の左方向に内横力を発する。相手を引っ張ったら(=牵)直ちに発力し、相手に息をつく余地を与えない。

(6) 相手と搭手する時は、両手で横力を発し、同時に前に進んで衝突する(=撞)。一回で成功しなければ連続して進撃する。

(7) 相手と搭手して、直接前方に発力する。直力、弾力、驚弾、驚抖力など、断続せずに発力する。

(8) 相手が手を離せば、竪、横、斜の力を総合的に使用する。

44、単推手:

(1) 右手が相手に一度搭手すれば、小腕を右下方向に一捻り(=拧)すると同時に、右軸を吊り上げ、直接相手の右心や右肩窩に猛撃する(半栽拳を用いる)。相手が倒れなければ連続して進撃する。

(2) 歩を下げて大きく引いて(=撤歩大捋)も良い(双推手でも用いることができる)。

(3) 小腕を下に一捻り(=拧)して直拳で進撃する。

(4) 搭手では相手の大腕と小腕を一方向に捻り(=拧)ながら、肩で前に靠打する。推手時は手を合わせる角度が重要で、手を伸ばすときは曲直の形で、小腕を横にせず、握拳か半握拳は拧裹螺旋を求める。大圏は小圏に及ばず、無形の圏が最も良い。

45、単推手でも双推手でも、基本原則は相手を持ち上げて(=掀)から撃つことである。

(1) 相手が肩で押してくる場合、左右内外の横力で叩く(=扇)。

(2) 相手が直力で突進してくる場合、左右の刀で撃つ。

(3) 相手が左右に肩を揺らしている場合、左右の横力を発する。

46、長、中、短距離、身体が接触している時でも具体的な力を発揮できる。大動、小動、あるいは形体が不動であっても力を発せられることが重要である。

47、発力する際は一般的に身体を低くし(=下蹲)、直立せず、いくらか含蓄を持たせる。発力は相手の中心を撃ち、左右や両端を打たない。

48、厳しく正面から侧面へ打つ。相手が猛攻してきた場合、その場に留まり、身体を正面から侧面に変えて砲拳で打つ。

49、両者が動き始めたら、まず相手の肩架の配備を乱れさせ、乱れた隙に中心を攻める。

50、両者が動き始めたら、まず相手の強い部分(=堅)を攻撃し、虚を攻めない。相手の背を攻撃し、順を攻撃しない。

51、拳法は「一陰が反って一陽になる」。精神は怒れる虎のように、気質は霊犀のようである。

52、拳の無意に至るところが真である。

53、相手の力頭を撃つ際は、正面ではなく側面を打つ。力頭を避けて側面を打ち、角度を考慮する。

54、相手の体格が高いか低いか、太っているか痩せているかに関わらず、相手に合わせず、自分のやり方で打つ。平時には体格の大きさや体型の太り痩せに応じた技撃の特徴を研究する。

55、技撃は基本的に竪、直、横、斜、高、低であり、これが一般的な規律である。

56、単推手では相手の手を抑えたら(=搶)すぐに進攻し、相手の身長や力の大小に関係なく、腕を引き寄せて全身するか、歩を動かして螺旋力で進撃する。

57、単推手で、相手が我の手を掴もう(=捋)とした場合、掴まれた肘を立てて、肘尖で相手の胸部を打つ。続けて掖掌を用いて、双手を合わせて打つ。肘で打つ際には身体を使って肘を押し出す必要がある。これが一つの方法である。また、相手が右手を掴もうとした場合、相手の右腿に沿って、我の右手の甲で下滑りながら押さえる(=按)。同時に左手で我の右腕の上から相手の胸に攻撃する。

58、推手の際には沾、連、粘、随を用いる。

59、単推手でも双推手でも、重心は移動できる。自分の重心を手、腕、または身体の特定の部分に置くことができる。

60、歩を進めながら、側身になって直掌を上から発して中を打つ。力は足、胯、腰から上に発する。側身で直拳を下に打ち、左右の肋下を狙う。