意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

フルコンタクトKARATE2004年9月号

盧山初雄館長インタビュー

印象に残った言葉

中途半端な努力で、二〜三年やって手がちょっと暖かくなったくらいで、「だから。どうしたの?」と言いたい。こんな站樁では養生になることはあっても武術には何の足しにはなりません。現実の辛さを逃避するために、自分でちょっと特別なことをやったからといって、強くなれるほど、甘いものではありません。やる以上はそれこそ、死に者狂いでやるべきです。それで一生かけてそういう力が身に付くか、付かないか、というものなのです(盧山初雄

私は澤井先生の手を何度も握ったけれど、ブン! と瞬間的に出す力は本当に真似出来ない。あれこそ神経の力なのでしょうか。神経の力というのは、握られている状態から、煙草の火を突然押しつけられて「熱い!」と跳び上がるような瞬間的な力です。澤井先生はそれを出すことが出来たのです。押すのとは全く違って手が触れた瞬間、中に瞬間的にグン! とめり込んでくるような力です。ちょうど手の中に鉄の棒を通して、手の先が触れた瞬間、肩の後ろからハンマーでドン! と叩いた力が伝わってくるような感覚でした(盧山初雄

君達は基本とか型を稽古するけれど、何かの陰からいきなりワッ!と襲いかかってきた時に、君はどうするんだ。いくら稽古したところで空手の型通りに出来るか?(澤井健一

本当はそのような状況に出くわした時に実際に使えるようになるまで、徹底的に稽古しておかないといけないのですけど、その時はわからなかった(盧山初雄

中村日出夫先生に伺ったエピソード)それで行ったら、「君、空手の技を何も持っていませんね」と言われました。最初は意味が分かりませんでした。さらに、「君はスピードがありませんね」と言われたので尚更です。当時、スピードは人の二〜三倍ある、という自信がありましたから。それで「先生、スピードはどうやってつけるのですか」と聞いたら「スピードが無いということを自覚しなさい」と言われました(盧山初雄