意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

力的運用(6)(『意拳大師王斌魁講拳語録』より)

101、坐弾力の発力が上手くいかないのは、按勁が大きく、冲勁が小さいからである。按勁は小さく、冲勁を大きくすべきである。この式では支点を強化し、支点を軟らかく打ってはならない。按は支節であり、撞が本体である。主に攻める方向では、一、二と分けてはならない。按と同時に撞を行い、按と撞は同時に行う。

102、上が緊であれば下が松、左が緊であれば右は松、前が緊であれば後が松、後が緊であれば前が松である。松緊は互に用い、半松半緊で敵を誘い込む。各角度の松緊を常に調整し、自分の利のために用いる。強い力に遭遇した場合は、少し松にする必要があり、前に向かって松とする。

103、点で押し合い(=擠点)、点から離れて、撃つ。直力を横に放たず、円をかくように放つ。長い動作を多く練習し、腕関節や肘関節の曲折を多く練習する。混乱の中で中を撃つ。

104、「十」字を見たら円をかき、かき終えれば進む。陰手で円をかき、陽手で節円(滾動中)をかく。

105、双推手では淬驚打(驚弾力、驚抖力)を使うことができる。相手が驚いた時に、突然進撃する。両手を交互に使って、左右から肩を送る。

106、按と撞を併用し、手は低くしない。これを伏按と同時に前撞すると言う。

107、接触点と身体は平衡しなければならない。火打ち石が一度打たれたら(鳥が落ちるように)、人を倒さなければならない。意は形に随い、いつでもどこでも拳となる。曲の中に直を求め、神気と一致する。搭手は電気に触れるようである。接触点と中は分かれて動き、点で支えて(=頂)から中を動かすことができ、分解して用いる。

108、あなた(筆者)は以前円をかく動作が多く、枢動が少なかった。推手では蜻蜓点水を使い、一度で三点が連なる。

109、手は空出せず、意を空回せず、何かを持ち帰る必要がある。閃けば必ず打ち、双推手では双重に注意する必要がある、双重であれば動きにくい。円を抱いて意を守り、伸手は腿を越えない。肩架を適当に整える。発力するときは枢の作用に注意し、脚と頭が相争う。

110、精神の配備が主で、形体は次である。枢を用いて人を打ち、大環も小環も用いる。

111、実が過ぎると滞り、滞れば死ぬ。

112、両脚や腿で重心を絶えず交換し、身体が平衡を失わないようにする。

113、手は三、足は七に勝る。上肢や上半身で力を用いれば、身体は平衡を失いやすく、頭が重く、脚が軽くなる。

114、手を出すときは指弾のようで、手を戻すときは鋼の鉤のようである。身体で発力し、手の重さは身体の力量を超えないようにする。さもなければ平衡を失い、力が発せられない。

115、身体で人を打つが、しばしば最初に接触するのは手脚である。手脚は身体で人を打つ具体的な運用であり、手脚は身体で打つことの体現である。

116、拳が中成に至れば招は不要であり、招は力の具体的な応用である。中成に至れば手を出すだけで対処となり、自由に打ち、自然に力学を応用する。

117、双推手では拍打し、相手と搭手した後、例えば右手で相手の左肘尖を支えて突き上げ(=托崩)、左手で相手の右手を伏按する場合、右手で相手の左肘を相手の中心線に向かって掻き上げ(=崩掀)、左手で相手の右手を下按し、相手の平衡を失わせる。