意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

張樹新先生の著書『大成拳渾元樁的三種層次』

大成拳(意拳)の渾元樁には三種類の段階がある。一、初級渾元樁。換勁樁の一種で養生樁や健身樁と呼ばれる。二、中級渾元樁。摸勁樁の一種で技撃樁と呼ばれる。三、高級渾元樁。総合樁法の一種で、矛盾樁、降龍樁、伏虎樁、撐抱樁、托宝樁、扶按樁、提挿樁、推托樁などを包含する。内容は人体の筋肉、骨格、気血、精神と身外の假借などの総合要素を一体にする渾元樁法である。

大成拳(意拳)は渾元樁を立つことで、渾元力を求めることができ、大成拳(意拳)の渾元力の発力の形式はその他の拳術との区別がある。その特性は松緊が互いを為し、虚実は互いを根となし、渾元は一体に、矛盾は互いに争い、陰陽は相済し、上下前後左右は行き過ぎず足りな過ぎず、爆発的な力量を持たない箇所がない。

大成拳(意拳)の渾元樁は人体の「精、気、神」、「筋、骨、髄」及び、金、木、水、火、土等の五行勁、蓄力、弾力、驚力、開合力、重速力、定中力、纏綿力、撐抱力、惰性力、三角力、螺旋力、杠杆力、輪軸力、滑車力、斜面力など十五種の力、撥、擰、鑽、裏、扣、劈、刺、挑、崩、絞、推、拉、錯の十三種勁、提、吞、吐、沉、托、分、閉、勾、挂、搓、鋸、踩、践、拂、叠、沾、粘、开、合、争、弹、滾、按、横、順、斜、鎖、摧、堵、截、蹋の勁力といった内容と人体の陰陽転換、相応の精神仮借訓練を包含する。これらの内容は訓練時にあり、時には同時に訓練し、時には単独で訓練し、大成拳(意拳)の渾元樁は学生の進み具合、身体条件、段階によって異なり、その訓練の内容と方法は人によって異なる。もし単独で論じれば、大成拳(意拳)の各訓練では樁法は全て段階的で、それぞれの訓練内容があり、健身と基本功を訓練する角度から言えば、神を養うことを主とする樁法があり、筋を練ることを主とする樁法があり、骨を練ることを主とする樁法があり、髄を練ることを主とする樁法がある。勁力を練る角度から言えば、開合力を重んじる樁法があり、滑車力を重んじる樁法があり、螺旋力を重んじる樁法がある。五行合一の角度から言えば、「金」を練ることを重んじる樁法があり、「木」を練ることを重んじる樁法があり、「水」を練ることを重んじる樁法がある。精神を訓練する角度から言えば、精神を覆う假借の訓練を重んじる樁法があり、宇宙の神韻に感応する意念の訓練を重んじる樁法がある。これらの内容は皆、各樁法を経てまとめあげる意念訓練によって求めることができ、故に真の渾元樁は各樁法の訓練内容を総合した樁法であり、高い段階の渾元樁は全ての樁を含み、いずれの樁法にしても全て渾元樁であるということができる。訓練によって高い境界に到達した後は、降龍樁の中に伏虎樁、托宝樁、鳥難飛樁の内容があり、伏虎樁の中に降龍樁、托宝樁、鳥難飛樁の内容がある。このように一つの樁は多くの樁(甚だ所有している樁)の内容を包含することができ、これが私たちが常に説明している渾元技撃樁である。

大成拳(意拳)の站樁はまず基礎的な渾元樁を主として訓練を進行させ、体に具体的な勁力が不足している場合に、各種の技撃樁法によって補い、このようにして少しずつ渾元の力量を備えないところがない体を建立していくことができる。

具体的な樁法について言うと、それぞれの技撃樁は全て主要な訓練内容があり、降龍樁を立つことで筋を練ることができ、伏虎樁を立つことで骨を練ることができる。或いは降龍樁を立つことで螺旋力を練ることができ、伏虎樁を立つことで滑車力を練ることができ、托宝樁を練ることで杠杆力を練ることができる。上述した樁法のように純粋な力量を練る他にも、降龍樁を立たずに伏虎樁、托宝樁、矛盾樁などの樁法を立ったとしても、拳理拳法が明白であれば、同様に螺旋力を訓練することができ、これは降龍樁を通過したことで螺旋力が訓練され、筋力の争や裹の構造と精神假借が、伏虎樁、扶按樁などの構造と精神假借に適応して螺旋力を求めることができる。

大成拳(意拳)の樁功には大きく三種類の練法がある。一、異なる構造のもとで、異なる意念假借で異なる力量を得る。二、構造は異なるが、精神假借の内容は基本的に同じで、基本的に同じ力量を得る。三、同一の構造のもとで、異なる意念を経て異なる力量を求める。この三種の方法によって、大成拳(意拳)の樁功は千変万化であり、万法帰一である。

大成拳(意拳)の渾元樁は身体内部の争力だけでなく、意念と宇宙の力波に相応する体外の争力の訓練である。

大成拳(意拳)の体外の争力の訓練内容は形に拘らず、相に拘らず、意に拘らず、王薌齋先生が言われている通り、「有形有意は皆幻であり、意は無心で初めて奇を見る」である。故に、大成拳(意拳)の渾元樁の訓練内容は有意から無意に到達する一種の方法であり、意図しても意図せざるとしても全て無意になり、無意の境地に到達するのが正道の訓練方法である。この方法は複雑で、虚幻に流されやすく、書き尽くすことが難しいため、本文では詳細を述べない。

まとめれば、大成拳(意拳)の渾元樁は三種の異なる段階の訓練を通過して局部から整体を少しずつ実現し、単一の発力から渾元力に到り、「假借無窮の意」から「無窮の力を得る」に到り、この勁力の内容は人体の機能の系統と工程を改変する。