意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

姚承栄先生の著書『意拳「発力」』

今年3月に、毎月一度開催される中意武館の学術研討会において、多くの学生が意拳の練習、站樁、意念の運用について、また双推手で注意すべき点について質問した。さらに多くの人が意拳の「発力」に関する問題を提起した。会場の雰囲気は活発で、数十名の学生が手を挙げて質問していた。姚承栄館長は皆に対して辛抱強く答えていた。ここには中意武館で6年、7年の練習を積んだ学生や、2年から3年、または新入生もおり、一般的には武館で半年以上の訓練を受けている。武館の訓練は緊張感があり、整然としており、内容も豊かで体系的である。中意武館は理論と実践の組み合わせを重視している。訓練がある時、多くの学生は非常に熱心に取り組み、授業が終わってもまるで訓練が終わっていないかのように校舎を離れたがらない。

今回の研討会では、多くの問題について整理が行われた。以下では、皆さんが特に関心を持っている「発力」についての問題に焦点を当てて回答する。今後も、様々な方法で皆さんの質問に回答していく予定である。

一、発力の基本概念

武術訓練を頻繁に行う人は皆、「勁」を知っている。拳術の用語で「拳勁」や「爆発力」と称される。発力とは、拳術における有効な打撃力の動力である。站樁、試力、歩法、拳の発し等の訓練はすべて発力のための準備である。そのため、発力の訓練を行う際には、強力な発力ができるように、站樁、試力、走歩、発拳等の訓練を行う必要がある。ある程度の基礎ができた後で、発力の専門的な練習に取り組むことができる。発力は站樁や試力、走歩などの内容の総合的な体現である。確かな基本功がなければ、力をうまく発することは難しい。意拳の訓練は科学的であり、系統的に意拳の訓練方法に従って行うべきである。例えば「站樁」は渾元力を養うと同時に拳術の基本功でもある。「試力」は站樁で求めた力量を拡大し、意を伴った動きの中で強化し、力を試す。「走歩」は意拳の実戦歩法であり、身法、手法、歩法の協調統一を求め、動静を互いに用いる。一定の基礎ができた後に発力の訓練が可能になるが、意拳全体の訓練内容から見ると、「発力」の訓練は後半に行うべきである。

二、発力と争力

発力の練習を行う前に、どのように力を蓄えるかを知る必要がある。これは蓄えられた力量であり、いつでも発することができる力を「蓄力」と呼ぶ。基本の練習方法では、站樁中に精神を集中し、神を外に走らせず、力を内に収斂し、大小の関節を曲がっていないところがなく、歩法の移動も常に上記の点に注意し、疎かにしないことが含まれる。精神は全身を統率し、全身の力量を統一し、蓄力して待発し、意力が一致して全身が円整である。これは「動静の中で、守ることも用いることもできる」と言われる。「発力」は拳術において「重要な位置」を占め、器械の使用や力量の爆発も発力の範囲内である。他の多くのスポーツも同様で、拳術における発力の要求は、小さい動作で短時間で突然、迅速かつ強烈な力を発することである。火薬が爆発するようである「爆発力」とも呼ばれる。発力の練習では、身体の各部が意念の誘導に従い、意が指し示す所に力が到るようにする。全身の筋骨肌肉が動き、力を発し、それは自然に体外へ至る。力を発する前には、意念で力を争力に戻す。前へ発するためには先に後へ争い、後へ発するためには力を前へ争う。上へ発するためには先に下へ、下へ発するためには先に上へ、左へ発するためには右へ、右へ発するためには左へ、全身の争う弾力を利用して突然に発力する。この時、全身の各関節は起楞のようである。起楞の意は、全身の大小関節が縮んだり伸びたりすることで、まるでどこからも力が出てくるような感じである。これは外形の屈伸を指すのではなく、力は一つの中心から異なる方向に発し、互いに争い、連動し、相応し合い、触れたらすぐに発し、発したらすぐに止まることを意味する。

三、定歩練習
まず適切な姿勢で站つ。渾元っ樁の姿勢では、両手を持ち上げ、手の高さは目の下程度にし、後手は前手より少し低くする。両手は虚に握り、まるでそれぞれが卵を握っているかのように、力を入れず、拳眼は上向き、掌は内側を向く。発力時、相手が私の前腕の下部に迅速に打撃を加えると想定する。その時、手首と前腕を同時に下にひねって前に伸ばし、後手も同様にする。この時、両手の掌の外側の縁を外に捻る。両掌の距離は約一拳で、手を前足のつま先の位置まで伸ばした時、掌も完全に地面を向くように捻り、前手の指が相手の胸部や自分が打撃する部位に触れたと想像する。この時、体は巨大なハンマーのように、手から肘までが釘のようになる。肩と上腕がないかのようで、体は少し後ろに争い、突然両肘に打撃を加える。これは両拳が突然開く動作で、十指は斜め前上方を指す。意は遠くを指し、まるで両手を相手の背後に差し込むように、「力透敌背」の意を持つが、力は発した瞬間に止め、まるで手で赤熱した鉄に触れるように、発したらすぐに引く。単に外形だけでなく、体内の力量も同じように動作することを求める。練習時は精神を高度に集中し、毛髪が戟のように立つ感じで、身体の利用可能な一切の力を動員する。

発力時に注意すべきいくつかの点を強調する。

一、発力時、「頭」すなわち前額は前に突撃し(=撞撃)、頂心は斜め前上に突っ張る(=頂)。歯は微かに交錯させ、薄い鉄片を噛むような感じで、発力の瞬間にそれを噛み砕こうとする意を持つが、歯は接触してはならない。「歯が金を断ち切る」ような意を持ち、舌の根をわずかに後ろに引く。

二、胸と腹、肩は肘を支え(=頂)、胸はわずかに収める。発力の瞬間、短く試声を促し、気を下腹に貫通させる。

三、下肢では、発力時に両脚の膝をわずかに外側に分け、後胯は少し後ろに寄りかかって座り(=後靠下座)、脚は下を向いて後ろに蹴る(=蹬)。前脚は発力する前には、足根をわずかに虚にし、発力時に前脚の裏を下に踏む(=踩)。地面に踏み込む意を持ち、その後すぐに持ち上げる。できるだけ適切な状態にし、発力は自動車のブレーキのように、頭が突進し(=撞)、足が踏み、手が発する。触れたらすぐに発し、発したらすぐに止まる。

上記の説明は、多くの問題において、「発力」に焦点を当てて回答した。

姚承栄
2001/4/26