意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

フルコンタクトKARATE2006年3月号

「形が無い」のが一番強い

印象に残った言葉

常に身体に内在する力を感じる。常に身体をまとめる力と外に発揮する力を感じ、維持する(島田道男)

立禅をやれば身体全体の調和が取れる、そして力いっぱい溜まってくるんだよ。それがつまり「健康にもなりますよ」ということなんだ。もっともっとやっていくと、体の中で煮えくり立つような力が出てくる。技術もあるけど、そういう立禅の効用という部分をさらに出していかないといけない(島田道男)

まとまるということは求心力というか、体の中でまとめる力が無ければいかんわけでしょう。前へ行っても、後ろに行っても、横に行っても、常にまとまっているためには、身体の中でまとめる力が無いといけない。一方で気の力であったり、爆発する力をそこで発揮するわけだ。「爆発する」というのは速くて、力があるということじゃない。物(鉄)を持って打ったのと同じように、持っていなくても打つことができる、そういうものだよ(島田道男)

両手で作った空間の周囲を回転する力が出るイメージで立ちます。それを感じる意識の練習をしたり、出てきた力の強さを自分で調整します(島田道男)

ヒザから足の付け根にかけた部分から力が出てくる感じです。立禅の体勢なら、思い切り横から足を押されても崩れることはありません。立禅にはこの体勢を覚えるという役割もあります(島田道男)

この『体全体を囲んでいるものを動かす』というイメージを抱いて練習することによって、体全部の力ですぐにサッと拳を出せる神経の状態ができてきます(島田道男)

相手の中に入った時に、自分の空間が潰れていてはダメです。空間を常に意識するんです(島田道男)

立禅をやって体の中を鍛えます、と同時に、ヒザ、腰を緩める動作を身につけます。この『緩める』という動作は非常に難しいものです。身につけるための一つのやり方は、立禅の際に、浮き輪に浮いて波を感じているイメージを抱くことです。ヒザ、腰にムダな力を入れてはいけませんが、かと言って力を全て抜いてもいけません(島田道男)

力を入れて打つとその分疲れるじゃないですか。もっと力を効率良く、使うんです。お腹で打つように、体の中を緊張させてターン!と打つようにします(島田道男)

前後左右を囲まれても、一方の敵を素早く倒し、すかさず他方の敵を攻撃します。そのために腰をダイレクトにしっかり動かせるようにしておきます。腰を動かせるということはヒジも動かすことができるということです(島田道男)

僕は金槌で釘をターン! と打ち込むように体を使います。とにかく『手で打つ』という感覚を捨てないといけません。体の全部の力をうまく使えば、スピードが無くても重い突きを打てるようになります(島田道男)

気持ちいいという感覚は非常に重要で、そういう感覚は外と内を一体にする接点なんです。だから、「そういう部分からスタートしてください」と言っています。もっとやっていけば、「呼吸」とか「皮膚感」というものはダイレクトに中枢神経に繋がっているので、きれいに繋いでしまえば、あっという間に自分自身が変わりますよ(島田道男)

ある兄弟弟子を澤井先生が相手して(攻撃)を入れたんだけど、全く見えなかったことが一度あった。要するに「皆目検討がつかない」というか、「何だかわからないけどすごいな」と思ったんだ。今でもあまり検討もつかない動きを一回見た気がする。昔、テレビで猫科の動物が一瞬でカメラから消えるのを見たことがあるけど、ああいいう感じだったね。ちょっと違うけど、とにかく何か不思議な動きだったね(島田道男)