意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

フルコンタクトKARATE2005年10月号

インナーパワーを身につけろ

  • 登場する先生
    • 孫立
  • 内容
    • インタビュー「意拳とは」
    • 「站樁」
    • 「試力」「発力」「歩法」
    • 対練「対人発力」「推手」
    • 養生功

印象に残った言葉

王先生は、人間にとって一番大切なのは体で、内臓のバランスが強くなれば、技をちょっと教えたらすぐに強くなると考えました。意拳の一番の基本はバランスとリズムです。バランスがずっと安定しているのが良い状態です(孫立)

スポーツでもリズムが一番大切で、リズムが無いとだんだん体が固くなります。リズムを保つことができれば、自分の体は良い状態でいられます。私の先生である姚先生から聞いたのですが、「試合で緊張した状態を無くせば、勝つチャンスは30%。本当に自由自在に動ければ、勝つチャンスは50%になる」と、王先生が話されていたそうです(孫立)

最初の三つのポイント(バランス・リズム・リラックス)は、意拳の一番大切なポイントです。後はこれを基本にして、イメージ、呼吸や気の練習を行います。これは人間の脳や体を開発するための練習の形です(孫立)

中国の昔の本である『黄帝・内経』という本には、三千年前のことですが、「大昔、真人という者あり、宇宙の天(陽)と地(陰)を自分と一体化するために陰陽を把握し、空気中の良いものを体内に摂り入れて精神と体を宇宙と一体にさせた。それゆえに人間の命は天地のように永遠のものになるよう追求することができる」という記述があります。何千年前かわかりませんが、その時代も站樁をやっっていました(孫立)

試声は最初の内は低い声で出しますが、だんだん高い声に変わっていきます。力を集めるため、内功のために行います(孫立)

片手推手ではまず反応を養います。手首と手首を使って、手の皮膚を耳のようにして相手が力を入れるのに即座に反応します。反応したら相手に返します(孫立)

相手の攻撃がきたら、手から足まで全身の筋肉を一度に使って、瞬間的に相手に対応するのが一番良いのです。もう一つ大事になるのはバランスです、相手の力が加わった時に、自分の体はどのようにバランスをとったら良いのか、バランスを崩さずに、バランスを保った良い状態に続けることが、この練習によってできるようになります(孫立)

伏虎樁をする時には、『自分は虎より強い』とイメージしなければいけません。現代人は虎を見たら『危ない』と考えてすぐ逃げます。でも昔の人間は虎を見たら『食料だ。捕まえて食べよう』と考えましたから、怖がって逃げたりはしませんでした(孫立)

銃の弾も螺旋の動きをさせるために筒の中に溝を彫って弾丸が螺旋を描いて飛ぶ構造になっています。螺旋を描いて突き進んでいくので、弾丸は体に食い込んで体の中にまで入っていくのです。まっすぐな力だけでは表面だけにしか効きません(孫立)

普通、発力は九種類三十回ずつ行います。しかし、回数をこなすことよりも、一回一回ていねいに全力で行うことが大切です。100kgの体重がある相手に発力を行えば少ない回数でも大変きついはずです。掌だったり拳に変えたり、左手だったり、右手だったり相手のアゴを狙うか、胸を狙うかなど色々変えて行います(孫立)

試声によって攻撃の威力を発します。また、全身の力を集めて相手の攻撃を反発させます。大声を張り上げて相手を脅かすわけではありません(孫立)

ボールのように地面に反発する力を相手にぶつけるのです。そのためにまず最初に一回重心を下に落とし、地面に反発させて相手に向けます。ボールも地面に力無く落とすと弾みませんが、力強くぶつけるように落とせば大きく弾みます(孫立)