意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

フルコンタクトKARATE1995年2月号

武道空手の求道

  • 登場する先生
  • 内容
    • 飽くなき探求 極真の哲人・盧山初雄
    • 武道空手道の基本と技術
    • 盧山初雄・鍛錬の思想
    • 鉄拳はいかにして練られるか

印象に残った言葉

盧山君、キックであろうが空手であろうが闘いには変わりはないだろう。相手が腰が高いなら腰を落として、どこまで闘えるか試してみればいい。それは決して無駄にならないよ。きっと立禅と這をやっていく過程で生きてくるに違いない(澤井健一

「私の腕をしっかり掴んでみなさい」という一言に意地になって両手で掴んだ上に腰を落とし、逆技を使えないように踏ん張ってみた盧山であったが澤井氏は腹から絞り出すような短い気合と共に、もの凄い力で手をふりほどいてしまった。ムチウチ症にでもなったのではないかという程の衝撃であった

中村日出夫先生との稽古で「君はスピードがないですね」と言われて)この言葉はスピードには自信を持っていただけにショックが大きかった。この場合のスピードが現象面だけでなく精神的な要素も含めていることを理解し、体現するには多くの時間を費やさなければならなかった

心にスピードがないと、体のスピードが出ない。心が命令を下して、体を動かすわけですからね。自分の意志で体全体をどのようにリードするか? これは、ヨガや禅などにも通じるものだと思いますが、意志をいかに稽古に反映させるかが重要になってくるでしょうね(盧山初雄

漠然とサンドバッグを5〜6時間蹴っていても、効果はない。サンドバッグを蹴った瞬間、もう心はサンドバックを貫き通してずっと先へ行っていなければならないんです(盧山初雄

人間の筋肉には第一随意筋と第二随意筋があって、第二随意筋は普段休んでいる。これも動かせるように鍛錬するのが、私の理想とする稽古なわけです(盧山初雄

這はイメージトレーニングでもあり、いつ何時も重心を崩さない下半身を作る鍛錬でもあるのです(盧山初雄

人間、気持ちが浮き足立つと腰が高くなる。そうなると技も出ないし、相手の攻撃も受け止められません。それをグッと腰を沈めることができるようになると、懐が深くなって防御もでき、反撃もスムーズに出せる。でも、ただ腰を落とせばいいというものではない。手と腰と足の動きが一体にならなければいけない。そして、そのバランスは腰がリードしなければならないんです。そういう腰を作る鍛錬として這は普遍的なものなのです(盧山初雄