意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

混元樁(一)(『拳学新編』より)

初めに混元樁は立容(立勢)を整える。立つことは拳功の基本間架である。立つ時は足尖を外側に向けて、角度は約六十度にする。安定を求め、気は静かに神は安らぎ、天を戴き地を履き、天地と一つになる意がある。站樁の際は、以下の各点に注意する必要がある:

「頭」:人体の最も高い位置にあり、一身の主宰である。傾けず、上頂(領のほうが適切)の意を用いる。顎を収め、首をぴんとはり(=挺)、直を欲する。頂に似て頂にあらず、縄に引っ張られている(=提)に似て、全身を領率する意を持つ必要がある。

「足」:両足を平らに置く。親指は外を踏み(=蹬)、小指は内をつかむ(=扒)。脚心は虚を含み、踵はわずかに起こし、両膝をわずかに曲げて上に縮め、これにより筋絡はのびのびとする(=舒展)。力を入れ過ぎて(=吃力)はならず、足に力を入れ過ぎると、立つことが不安定になる。足に力を入れると、頭に力を入れる必要があり、身体はのびのびとせず、気力が阻まれることを知らなければならない。全身の関節は霊活でなくなれば、どうして站樁の安定求めることができるのか? 故に足の重みを修正することは、足に力を入れすぎることを意味しない。

「閭骨」:脊髄神経の殻で、人体の中部に位置し、上下の肢体の中枢を支配する。闾骨は正直でなければならず、肩と臀を並行にする。顎を収め、首をぴんとはり(=挺)、鳩尾を僅かに収めると、胸は寛ぎ腹は円松となり、自ずと頭を上げ腰を曲げることがなくなり、胸を突き出したり背中を押し込む病もなくなる。

「手」:両手を下に垂らす。指は地に挿入することを欲しながら、しかしわずかに上に持ち上げる(=提)。これにより、肘がわずかに曲がり、筋絡がのびのびとする。併せて外は支えて(=撑)内側に巻き込む(=裹)意を持つ。肩を平らに、腕を正し、腋下の筋肉を緩め、虚霊守黙は球を収めるようである。

「歯」:上下の歯が互いに重なるが、力を用いて噛み合わせるるべきではない。歯を噛むことや目を見開くことは大きな問題である。

「舌」:舌の先はわずかに巻き込む。上の顎に接触し、頂に似て頂に非ず、接引の意を悟らなければならない。

「鼻」:気官であり、呼吸は均等で無声で、気を上げてはならず、また沈めてはならず、均静自然であることを要点とする。気が静寂となれば、整息はその妙を得る。口呼吸は行ってはならず、行えば気はその道を失い、鼻がその役割を失い、病気になりやすく、慎重にならなければならない。

「目」:両目は平直を貴び、物に引き寄せられることはない(他のものに気を取られることなく、目を動かして左右を見ることはない)。心意は自然で乱れることがない。

「耳」:耳は八方を聞き、神を凝らさなくてはならない。