意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

武術(うーしゅう)1996年冬号

化勁より発力! 意拳推手の問いかけるもの

  • 登場する先生
    • 王岳峥
    • (日本意拳協会)
  • 内容
    • 意拳の推手の特徴
    • 推手で会得するべきこと
    • 全ては基本の中にある

印象に残った言葉

意拳の推手は太極拳などの推手とは大きく異なります。特徴的なのは活歩、つまり足を自由に移動させながら行う点です。そして、決まった動作を行うのではなく、常に相手を打つという意識の元に行います。その意味では非常に攻撃的だといえるでしょう(王岳峥)

推手は断手(散打)に入る前段階の練習です。相手と接触した状態で相手のコントロールをするとともに、常に、自分に有利な体勢を探すのです(王岳峥)

王薌齋先生は、その著書の中で、意拳の場合は推手ではなく推"人"であると書いています(王岳峥)

推手の練習においては、"節"、"點"、"面"、"線"ということに留意して行わなければなりません。節とは站樁で培った肩架(肩から腕先においても肩や肘と同様に大きな力を出すことができるようになる)を維持すること(そうすると、腕の末節の方、つまり、手に近い側でも大きな力を出せるようになる)。點とは相手に接触している部分のことを指しますが、その部分を通じて、相手の力の強弱、方向、速さを瞬時に読み取ること。面とは、相手の力と正面からぶつかることなく、斜めに接触して相手の力の一部を失わせること。線とは螺旋の動きでやはり相手の力を減衰させてしまうことです(王岳峥)

ある意味では、推手は断手より難しいかも知れません。なぜなら、推手には相手の力をコントロールしつつ、瞬時に自分の体勢をコントロールしつつ、瞬時に自分の態勢を変化させて、発力できる状態を探すということが要求されるからです(王岳峥)

(推手の際に用いる意念について)体全体を空気の入ったボールとしてイメージします。そのボールは空気がパンパンに入っていて、とこでも針をさせば瞬時にバーンと勢いよく破裂します。それが発力した状態です(王岳峥)