意拳浅談

意拳/大成拳を研究しています。翻訳は意訳です。

虎法(『意拳正軌』より)

虎法に六あり、曰く猛虎出林、怒虎惊啸、猛虎搜山、餓虎摇头、猛虎跳漳である。その性霊を探れば、強くて精壮であり、横に突進し(=冲)縦に衝突し(=撞)、両爪で山を排し、猛烈に進み猛烈に退く。長く扑き短く用い、食を剖くかのように、頭を振るが如く、狸猫が鼠を捉えるように、頭はつっぱり(=頂)爪で掴む。周身を鼓蕩し、手を起こせばヤスリのように、斬、抗、横、兜、順を用いる。手を落とせば鉤竿のように、劈、摟、搬、撒、撐を用いる。沈託は分擰し、伸縮には抑揚がある。頭は人を突き(=撞)、手は人を打ち、身は人を摧き、歩は人を越え、足は人を踏み、神は人を逼り、気は人を襲う。法を借りるは易く、法に乗るは難しいが、法に乗ることを最も先とする。技を競う者は思慮せず、思慮する者は一歩も動けない。一思いに進むことを教え、一思いに退くことを教えない。意は有るが形に帯びず、形に帯びれば必ず勝てない。まるで生き生きとした龍虎のように、吟じ啸き叱咤し、谷が応じ山が揺れる。龍虎の気のような壮大さがあれば、どうして勝たざる理があるだろうか? 総じて、龍虎の二法は、操る定勢はなく、勢は虎が三千里を奔るように、気は龍が万里を飛ぶように、勁は断たれても意は断たれず、意は断たれても神は連なる。口で伝え心で受け継ぐものでなければ得られず、これについて大意を述べるも詳細は話さない。